吉川英治三国志を読んでいるんですが、張飛と劉備の出会いが吉川英治氏の創作だと言うことで、一般的に言われている出会いはどのようなものか教えて下さい。
(つまり、演義の原書の出会いです)
演義の原書、つまり「正史三国志」に有る記載は極めて簡潔です。
「張飛伝」
張飛は字を益徳といい、涿郡の人である。
若いころから関羽とともに先主(劉備)に仕えていた。
関羽が数歳年長であったので張飛は彼に兄事した。
ちなみに「関羽伝」も記載は簡潔です。
関羽は字を雲長、もともとの字を長生といい、河東解の人である。
亡命して涿郡に出奔した。
先主(劉備)が郷里で人々を糾合していたとき、
関羽は張飛とともに彼のために禦侮した。
「三国演義」では、「義勇兵募集」の立て札を見た劉備がため息をつくと、「大の男がため息なぞつくな!」と大声がして、振り向くと張飛が立っていた・・・意気投合した彼らが酒場に繰り出すと、「酒を急いでくれ!義勇軍に参加するんだからな」と言う声がし、観てみると関羽がいて、二人は彼を誘い、「せっかく大丈夫が3人揃ったのだから・・・」と「桃園結義」になだれこむのです。
運命的な出会いにしてはちょっとあっさりしすぎていますから、吉川作品では芙蓉姫救出と張飛に伝家の剣をあげるストーリーを創作したのです。ちなみに、劉備の出自を分かりやすく表現した「伝家の剣」というアイテムは、上手いアイディアだといわれています。
吉川作品ではすでに顔見知りですから、立て札シーンでは「この剣が泣いておる・・・!」と言うセリフに変えられているんですね。
関羽が「子供塾の先生」というのも、吉川のアイディア。これも上手いアイディアのため、柴田錬三郎も真似していましたね。
演義自体がいろいろあった民間伝承や講談を集めて編纂したものですから一般的なものや、マニアックなものまでいろいろありますよ。
有名なのが張飛が肉屋。
ある日、巨大な石を持ってきた張飛はその下に剣をおき看板をたてました。
「この剣を見事とったならただで肉をやる。」と
そこへある男がその巨石をヒョイとどけて剣を抜き取りました。
その男が関羽でその後意気投合、そこに劉備が交って挙兵。
そしてマニアックなものをひとつ。
劉備は腕に自信のある若者達(侠)の徒党を組んでいました。
そのなかに関羽と張飛は劉備の人柄を聞いてそこに入りましたが、
関羽・張飛「いうほど劉備対したことないな。(´・ω・`)」
となり縁を切って二人で挙兵することにしました。
張飛は劉備に何度か金を貸したりしていたのでこのまま縁を切ったんじゃ割にあわないとある罠をしかけることにしました。
それは桃園で義兄弟の契りを結ぶと偽って呼び出し、井戸の上に座布団を敷いてイスに見せかけて、そこに座らせて落とす。というものでした。
そんなことも知らずにノコノコとやってきた劉備。
案の定井戸の上に劉備は座りました。
ですが劉備は平然と座ってしまいました。
驚いた張飛は気付かれないように座布団をめくってみるとなんと井戸の中に龍がいて劉備を支えているのです。
張飛はそれを関羽にいい、関羽もそれを確認するとこれは吉兆だと判断し、本当に劉備と義兄弟の契りを交わしたのでした。
他にも関羽や張飛が劉備に出会う話は多いです。
特に関羽は神格化されている関係で歴史にまだ登場してない時期の話はたくさんあります。
塩の密売にかかわっていたというのが通説ですが・・・。
0 件のコメント:
コメントを投稿